食べているのに低栄養!?高齢者に広がる新型栄養失調

3食しっかり食べているのに、栄養失調に陥る高齢者が増えています。「新型栄養失調」と呼ばれており、厚生労働省の調査によると、70歳以上の5人に1人が該当すると報告されました。
新型栄養失調になるのは、食事をしっかり摂っているつもりでもタンパク質など体のもととなる栄養が足りない「低栄養」が原因といわれています。
なぜこの時代に、栄養が足りない高齢者が増えているのでしょうか?その原因と対策をご紹介します。
原因は粗食志向と老化現象
低栄養になる要因として以下の2つが考えられます。
1.粗食志向
メタボや肥満に過剰に反応し、粗食を良しとする情報が低栄養につながってしまうのです。働き盛りの頃に指摘されたコレステロールや脂質過剰が心配で、卵や肉を避ける傾向があります。度を過ぎると、たんぱく質の不足を招いてしまいます。
2.加齢による消化吸収力の衰え
高齢になると身体の消化吸収力が低下するため、若い人と同じ量のたんぱく質を摂っても、効率よく筋肉や血管にすることができません。
1日あたり必要とされるたんぱく質の摂取量は、高齢者と若年成人(18~31歳)とでは必要量に差は無いとされています。また施設入居者や在宅ケア対象の高齢者では低栄養状態にあり、負の窒素出納を示す人が少なくないのです。
また、たんぱく質摂取量が低下している高齢者では、虚弱(フレイルティ)が高度に みられることが報告されていることからも、高齢になったらたんぱく質の摂取量には注意する必要があります。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
低栄養になると、認知症・寝たきりのリスクが高まる
新型栄養失調になり低栄養状態に陥ると、身体を維持する機能が低下します。(※出典2)
筋肉が落ち、免疫機能が低下、血管や臓器ももろくなります。すると転倒しやすくなって骨折、肺炎等の感染症にかかりやすくなり、脳出血や心不全になる可能性も高まり、認知症や寝たきりになるリスクが高まります。
こんな項目がひとつでも当てはまれば要注意です。
- 6ヶ月以内に2~3kg体重が減った。
- 肉や魚などを1日に一回も食べない時がある。
- 最近歩くスピードが落ちた
出典2)体力科学(2005)54 99-106 地域在住高齢者における低栄養と健康状態および体力との関連性https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/54/1/54_1_99/_pdf/-char/ja
低栄養にならないために、たんぱく質を充分に
低栄養にならないために、1日3食、魚・肉・卵・乳製品・大豆製品などのたんぱく質をしっかり入れたメニューを考えていきましょう。
また、たんぱく質の合成を促進するビタミンやミネラルも野菜などからバランス良く取り入れましょう。
- メニュー例
朝食・・焼魚、納豆、味噌汁、ごはん
昼食・・卵サンド、牛乳、サラダ
夕食・・豚肉の生姜焼、野菜の煮物、ごはん
また、どうしても食が進まなくて等の理由でたんぱく質が不足しがちな時は、たんぱく質のもとであるアミノ酸をサプリメント等で補給すると良いでしょう。
アミノ酸をまとめて補給できるようペプチド状にした魚肉ペプチドや大豆ペプチドなどのサプリメントがおすすめです。
ペプチドとは、たんぱく質が消化・吸収される際に分解され、アミノ酸がいくつかつながった状態のこと。 アミノ酸を数個まとめてとりこめるため、効率的に身体内に補給することができます。
引用:当サイト内「体に大切なたんぱく質とは」より https://sakanano.com/tanpaku.html
栄養バランスと運動も大切
いかがでしたか?低栄養にならないために、タンパク質を主に栄養をしっかり摂っていきましょう。また筋肉量を減らさないためには、身体を動かすことも心がけていきましょう。
監修:白柳 貴子(しらやなぎ・たかこ)管理栄養士
株式会社小田原鈴廣社員。社員の健康管理のためのメニュー提案・監修を行なう。
豊富な栄養知識をもとにウェブ記事や冊子の編集も担当。
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